師走の12月
獺祭の2つの話題が日本中を駆け抜けた
一つ目は
12月10日の読売新聞獺祭の全面広告
コピーは獺祭を高く買わないでください
という異例のものだった。
桜井会長らしい用意周到な戦略だ
新工場も順調に稼働し生産も需要をなんとか賄える規模となり
全国の販売店も拡充して充実させた
しかし今なお、割高で獺祭を売る転売店が後を絶たない
転売品は高額になることや流通経路が複雑で日数もかかるため
品質の問題も出てくる恐れがある
そこに獺祭が切り込んだ
しかも最大需要期の12月にである
高く買わないでくださいとは
言い換えると全国の販売店も生産も確立しましたという意味もある
日本酒業界において前例のない見事な意見広告だと思う!
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2つ目はNYのハイドパークに
CIA(世界最大の料理大学)と連携して蔵を建設するというニュースだ
桜井会長はかねてからワインは本場のフランスだけでなく
ヨーロッパをはじめアメリカ、オーストラリアなど日本も含め
世界各地で製造されている
日本酒が世界酒に本当になるつもりであれば
海外生産は必要不可欠だとおっしゃっていた。
麹米は日本の山田錦を使用するが掛米はカルローズの予定だという。
まさに国境を越えて日米融合の獺祭ハイブリッド
とでもいえるようなお酒になるかもしれない
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アメリカではどのようなターゲットを考えているのだろうか
日本酒の海外生産は少し行われているが
商品としては安い価格帯を狙っている
獺祭はこの価格帯とは違い
アメリカの生産商品は別ブランドにするが
高級と安い商品の中間を狙いたいという
しかも製造はすべて純米大吟醸だそう
ただ獺祭のポリシーでもある美味いと感じてもらえるお酒
にはこだわりを持ちたい
米国人が普通に買える価格で美味しい日本酒を飲める、
そう考えるとアメリカの日本酒の普及に弾みがつくかもしれない
また2800人という生徒を抱える料理大学とのコラボを考え合わせると
日本酒だけでなく日本食材の流通をはじめ
将来的には大きな可能性を秘めているとも思われる
このニュースも日本酒業界にとって歴史的な一歩だと感じる
その先を見つめてどのような世界への挑戦が続いていくのか
今後も要注目の蔵である!