世界料理学会inARITA (講演)
5月3~4の2日間
世界料理学会in ARITAが
有田の炎の博記念堂で開催された
講演、ARITA-バル、見本市と様々な催しが展開された
まずは注目のスピーカーの講演を・・・・・
世界屈指のレストランとして有名なスペインの
MUGARITZのオーナーシェフ アンドーニ・ルイス・アドゥリウス
彼は今はなくなってしまった世界で最も予約が取れないレストラン
エル・ジブで終業を重ね1998年にMUGARITZをオープンさせた。
2006年以降ミシュラン2つ星
2006年以降世界のレストランランキングでベスト10内を維持している
2015年は世界6位
一年の間4カ月は休んで、創造的な研究を行い
その年のメニューを考えている。
アンドニ・ルイス・アドゥリスは
まず自分の料理に影響を受けた日本に対する尊敬と
400年を迎えた有田に限りない敬意を払いながら
自らがシェフとしての創造をどう行ってきたかを説明した
テーマは共謀のためのツール
2週間の時間をかけて椿の葉をシロップに漬け葉脈だけにした
これは日本を体験したからこそ時間をかける大切さを学んだ
椿の葉をモチーフにした食器
それを砂糖を使って作ったフォークで食べる
16世紀のイタリアでは砂糖は金銀よりも高価で大変な贅沢品だった
これらの全てが
食に対する先入観を打ちのめすといわれる
このレストランの真骨頂かもしれない
そのシェフとリヨンの見本市で出会った
有田焼職人の寺内信二さん
最初会った時から相性の良さは感じたという
サンセバスチャンでの世界料理学会での有田焼の講演などを通じて徐々に
人間関係は深まっていく
そして依頼されたのがイカをイメージした皿と
子羊の肩甲骨をイメージした皿だったという
アンドニ・ルイス・アドゥリスは出来上がった皿で料理で表現した
アンドニ・ルイス・アドゥリスは言う
人間の記憶に残るものは
その時にどういう感情をもったかが大事なこと
そんなことを考えて
MUGARITZでは食卓でゲームを行っている
そのゲームに使うのがタバのかけらを有田焼で表現したもの
これを食卓の全員が(1~3個)を片手を握り
すべての数を当てるゲーム
当たった方にはご褒美として
寺内氏の作品でもある
タバを表現した食器にキャビアが乗って出てくる
そのタバを作る過程が映像作品として制作され
何とヨーロッパの5つの映画祭で上演されたのだという
スペインのディレクターとカメラマンの作品
映像と音楽のドラマチックなコラボレーションが
タンゴを見ているようで歯切れのよい印象的な作品だった
最後にアンドニ・ルイス・アドゥリスから
寺内さん本当にありがとうと感謝の言葉
その言葉に思わず泣きそうになったと寺内氏
100年後の500年には私は参加することはできませんが
有田が末永く繁栄していくことを祈念いたします
料理をここまで深化して考え実現できるシェフがいることを
改めて素晴らしい!と思った講演だった