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日本の食の未来

新米ができたと言うので
先週田舎に帰って米農家の親せきを訪ねた
彼は現在67歳だが
もう部落で米を作っている農家はもう5人しかいない
しかも年齢は2番目に若いのだと言う
手伝う人間も以前は何人かいたが
倒れたり、亡くなったりと人手もいなくなった
自分だけでやっているから
前は農地をたくさん借りて米を作っていたが
そんなこともできなくなった
こんな現状では若い人は誰も米作りをやろうとはおもわないだろう
 
これが大部分の日本の米農家の厳しい実態だと思う
 
月刊の文芸春秋11月号で
奥野全中会長と小泉進次郎氏との対談で
興味深い発言が載っていた
 
小泉氏は言う
ここ20年で農業生産高は11兆円から8兆円になった
所得は5兆円から3兆円に下がった
農業従事者は263万人から100万人近く減った
65歳以上が34%から63%になり
その間70兆円の予算が使われた
数字だけをみると
農水省は農業弱体化政策をやってきたのかと言わざるを得ない
 
今現在の農業政策の矛盾点は
 
小泉氏
アメリカで知名度の高い神戸牛
地元兵庫の肥育農家で生産された和牛は神戸から出荷できない
神戸からトラックで鹿児島まで運び
食肉加工場で処理されアメリカに輸出される
(アメリカのHACCP対応の食肉加工場は全国で8か所しかないため)
 
奥野氏
アメリカから輸入される穀物の大半は
ミシシッピ川流域
ここの水深は60mもあるので
穀物輸送船は巨大
しかし日本の港は浅いのでそのまま入港できない
その分飼料代は高くなる
 
小泉氏
 
ミカンを扱っているある農協では
出荷に使う段ボールが118種類もある
発注は生産部会と言う生産農家の集まり
相見積もりや価格も見ない
変更しなければならない点だ
 
福島県のある農家から言われた言葉
今から消費者は2つにわかれる
安けりゃ何でもいいという消費者と
道徳や哲学を持っている消費者
我々は意志ある消費者に選んでいただけるように頑張る
それを後押ししてほしい
 
生産者を守る最後のとりでは消費者
消費者の皆さんのスーパーやレストランの選択の積み重ねが
日本の食の未来を作っていく
それが農林水産業の支えとなっていくのか
衰退になっていくのか
実は消費者の選択が直結している
 
 
安全、安心の日本の食材が求められながら
日本の農業はあと10年程するとほとんど人材がいなくなる現実がある
私たち消費者が日々の生活の中で
日本の農業を支えなくて、誰が支えるのかと思う
後継者問題を含め農業問題は山積しているなか
私たち消費者も意志ある消費者として
まずは共感できる農業生産者を足元から応援することからはじめなければならない