獺祭の挑戦(弘兼憲史)
山口県の山奥の小さな酒蔵
獺祭の世界への挑戦を弘兼憲史が漫画で描いた話題作
ストーリーは
大手日本酒メーカーで修業をして帰ってきた
桜井博志氏は当時経営をしていた父親との折り合いが悪く
辞めて石材業を営んでいた
そこに父親の死で1984年旭酒造を受け継ぐことに
当時の銘柄は旭富士
紙パックや景品など様々な試みをしたが
なかなかうまくいかない
社員の給料は利益が上がっていた石材業のほうから
奥様が工面していた
蔵の現状を打開しようと悩んだ末に
純米大吟醸を造ると決心する
静岡県の吟醸造りのレポートに感化され
蔵で大吟醸を造ってみた
思った以上に良い出来だったが旭富士だと負け犬のイメージ
新ブランドにしようと考える
正岡子規の俳号は
獺祭書屋主人と何かの本に書いてあった
旭酒造は獺越地区(おそごえ)
1990年獺祭が誕生した
1992年には数々のドラマを生んだ獺祭二割三分が誕生する
夏の休閑期に岩国に錦帯橋のほとりに地ビールを作り
レストランで展開して行こうという事に
しかしこの地ビールの挑戦がとんでもないことになる
数億円の予算で実行に移したがものの見事に失敗
杜氏も蔵を離れていき
周りからは倒産すると言われた
ピンチをチャンスに
四季醸造に切り替え、全てのデータをインプットして
経験と勘から数値管理の見える化を図った
そして流通は問屋を排除し直接取引にした
ここからの快進撃は誰でもご存じの通り
2008年新蔵完成
2010年新蔵第2工事完了
2012年第2蔵稼働
年率150%のスピードで出荷が伸びていく
2015年12F建ての本蔵が完成する
世界への挑戦も形になっていく
2018年6月 DASSAIジョエルロブションパリオープン
2019年獺祭NY蔵建設(コロナで一時休止中)
桜井会長曰く、日本の少子化を考えると
目を向けるのは世界
世界の売り上げを9割にしたいと意気込む
桜井会長とは大吟醸を楽しむ会をはじめとして
キャビアでのコラボや奥田シェフとのコラボなどで
大変お世話になっているが
本質を的確につく言動とスマートさと腰の低さは会長ならではだろう
またマスコミには全て機敏に対応するなど
マスコミの利用の仕方も非常に巧い方でもある
世界に向けての挑戦は始まったばかり
会長と息子さんの桜井一弘社長との2人3脚で
コロナ禍終息後の世界への飛躍が今から楽しみでもある