純米燗酒の会九州場所

博多のホテルオークラで純米燗酒の九州場所が10月17日開催された
火事で大変な被害にあった久留米の旭菊酒造を励まそうと開かれたもの
 
旭菊酒造が火事になったのは5月31日
今年の出荷を明日に迎えた日であった
火災は2時間半燃え続け創業1900年から残る蔵をはじめ
貯蔵タンクなど1600平方メートルを焼いた
蔵の閉鎖も覚悟した原田社長に全国から励ましの便りが届く
励ましに押されて10月には新しい蔵も着工した
 
全国から14蔵も集まり、秋の純米燗酒を楽しんだ
博多では味めての試みではありながら250名ほどの参加は
日本酒ファンにとっては嬉しいことだった
宮崎からも何人か参加されており日本酒のファンの拡大を
感じることが出来た
 
酒もうまいがオークラの調理も頑張って
面白い肴が並ぶ
お酒の会はホテルの協力がないと成功は難しい
今回のオークラのスタッフはそんな意味でも気合いが入っている
席には珍味盛り合わせ(左)と刺身
そのほかの料理は取りに行く形式
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マツタケの炙り焼を始め黒豚角煮、からすみ、ホタルイカの素干、巻き鰤
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あら煮、ニシンとなすの煮物、がめ煮、など酒好きにはたまらない珍味の数々
しかも着席でゆっくり飲める
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お酒の蔵元は純米の雄、埼玉の神亀酒造をはじめ
大阪の秋鹿、宮城の綿屋、神奈川の隆、三重のるみ子の酒
鳥取の諏訪泉  など御燗ファンにはたまらない銘柄の数々
久しぶりに会う蔵元の皆さんに挨拶しながら
御燗の味見
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るみ子のお酒はご主人がお越しいただいていて
私も始めてのご挨拶となった
るみ子さんが自慢していた山廃の御燗をいただく!
じんわり体に入っていくほっこりしたお酒だ
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最後は蔵元の紹介と抽選会があり楽しい宴が終了
博多にもこんなに御燗のファンがいることがわかって大変嬉しい気分だった
旭菊の蔵元さんには是非頑張って再興していただきたい
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博多に来たら最後はラーメン
締めで食べた一風堂のラーメンのまずかったこと!
全国展開をはじめ中国進出も行いチェーンの規模は拡大の一途をたどる
店内の装飾もまさに中国風で派手派手
基本のラーメンの博多元味のスープが完全に乳化しておらず悲しい寂しくなる味
一体どうしたのだろう!
今からの一風堂の行く末が心配になってきた
 
 
 

田の神さあと真幸米

田んぼの片隅にたたずむ小さな石像
宮崎県えびの市には 田の神さあ と言われる
ユニークな石像が田園地帯に点在している
その数は150ほど・・・・
そのなんともいえない素朴な味わいは人の心をほっとさせてくれる
田の神さあは冬は山の神となり春になると里に下りて田んぼを守り
五穀豊穣の神様として古くから信仰されてきた
さまざまな田の神さあがあるが大きく4種類に分けられる
神官型、地蔵型、農民型、自然石型
写真(左)の神官型は享保10年(1725年)に作られた市内で2番目に古いもの
神官型は宮崎県で始まったと言われている
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宮崎県の南西部にあり鹿児島県、熊本県とも隣接をしているえびの市
四方を山に囲まれ、水資源も豊富なここの田園地帯は
九州でも米どころ(真幸米)としても有名だ
古くから島津の殿様の献上米として、上方の寿司米として
戦時中は天皇家の献上米として様々な話題が出る程の美味しい米であった
 
九州の桶狭間とも言われる有名なえびのの木崎原合戦
島津藩(300)と伊藤藩(3000)との戦いはここのおいしい米所の領地の争いだったとも言われているほど
戦いは島津が勝ち、西郷隆盛は良くえびのに来て狩や温泉に来ていた様だ
 
えびの米の品種はひのひかりだ
この品種は1989年に宮崎県農業試験場で育成され
1990年に品種として登録された
現在では作付面積全国3位という代表的な米の品種である
 
さて今日はえびのの尾山さんにお願いして真幸米の取材
真幸米のブランドは尾山商店のブランドだが
その品質に合うものは4〜5件の農家のものでしか出来ない
その中の中心人物である
えびの市柳水流の東さん宅にお邪魔する
東正実さんは言う
米は土作りと水が命
正月明けから土の掘り起こしをはじめ田植えまでに
4〜5回掘り起こしを行い砂と粘土の一番良い状態の土に仕上げていく
稲の葉の色を見るだけで田んぼの状態がわかるという
土の状態は空気が抜ける、ガスが沸くなど業界用語が飛び出し
なんとなく頭の感覚だけでもわかったような気分になる
田植えは6月10〜20日頃 収穫は10月5日頃から
朝と夕には必ず田んぼに行き、米の状態を見る
そんな手塩にかけたお米の中でも最高品質が真幸米となる
そしてこのお米を食べると真の幸せがおとずれるという・・・・・
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しかし現実には寂しい言葉が続いた
減反、減反と続き
今の状態では若い者は誰も米作りを継がない
今年は米が余り価格も暴落
まだ値段も決まらない
米を作っていたら生活が成り立たないと・・・・・
 
日本人の命であるはずのお米
その米を作っていたら生活ができない現実
中山間地域にとって農業を活性化させなくて地域の活性化はあり得ない
国としての大きな根本的な農業政策の欠陥を浮き彫りにしている気がしてならない
日本の農業が崩れていく
残念ながらそんな印象を持った取材となった

悪人(吉田修一)

朝日新聞夕刊に2006年3月から2007年1月に連載され
毎日出版文化賞、大佛次郎賞をダブル受賞
かねてから注目していた作家 吉田修一がよりスケールアップした作品
遅ればせながらやっと読み終わった
 
通常の乾いた日常生活の中で
誰もが悪人に落とされる時や機会が待ち受ける
人間関係が稀薄な現代社会の中で社会のひずみ(出会い系サイト、マルチ商法)
が様々な形で描かれ、それが田舎の風景と重なり合っていく
 
本の半分まではイントロが長かったが
2人の出会い、殺された家族の描写あたりから
一気に生き生きと情景が目に浮かぶようになってくる
刹那的な男女の感情の機微が、自然にフラットに体に吸収されていく
 
この小説の2つの文章は私の胸を揺さぶった
そして瞬間的に出てくる涙は止められない
 
自首しようとする祐一を引き止める光代
 
私だけおいていかんで・・・
 
私ね 祐一と会うまで一日がこげん大切に思えたことなかった
仕事しとったらあっという間に一日が終わって
あっという間に1週間が過ぎて
気が付くともう1年
わたし今まで何しとったんやろ
何で今まで祐一に会えんかったんやろ
今までの一年と祐一と過ごす1日やったら、私迷わずこの1日を選ぶ
 
殺された家族の父親がつぶやく
 
あんた大切な人がおるね!
その人の幸せそうな様子を思うだけで自分まで嬉しくなってくるような人たい!
 
今の世の中、大切な人がおらん人間が多すぎったい
大切な人間がおらん人間は何でも出来ると思い込む
自分には失うものがないから、それで自分が強くなった気になっとる
失うものがなければ、欲しいものもない
だけんやろう
自分を余裕のある人間だと思い込んで
失ったり、欲しかったり一喜一憂する人間を馬鹿にした目で眺めてる
そうじゃなかとよ!
それじゃ駄目とよ・・・・・・
 
痛く、切なく、優しい小説だ
現代社会は無意識、無関心にな

狭野神社(高原町)

心の安らぎを求めるときに行きたくなる神社がある
そこは宮崎県高原町にある狭野神社だ
 
神武天皇が生まれ、幼少のときに遊ばれたと言う皇子原の入り口にある神社だ
孝昭天皇(紀元前475年即位)の時代に皇子原に創建されたと伝えられる
そう考えると2500年ほどの歴史もある由緒正しい神社だ
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数度にわたる霧島山の噴火により
社殿の焼出と遷座を繰り返し現在地になったのが1610年と言われる
島津氏の崇敬を受け社殿の改修や寄進が行なわれた
 
長い参道を歩き始めると穏やかな気分になる
参道の両側には巨大な杉がずらり並ぶ
まさに歩くだけで森林浴が出来る感じだ
思わず深呼吸!
 
1898年には高木兼寛による宮崎神宮の大造営が始まったが
このときに使われたのが樹齢400年にも及ぶと言われる狭野杉だ
宮崎神宮完成時にそれまで宮崎神宮で使われていた本殿が
狭野神社へ移転された
そのため宮崎神宮別宮とも言われる
 
参道からひっそり奥まった社殿の入り口へ・・・・・
菊の紋がすがすがしい
中に入ると厳かながらゆったりとした時の流れを感じれる豊かな空間が広がる
静かに瞑想をする場所としても最適かもしれない!
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社殿そのものは全体的にこじんまりとしているが
気品と揺るぎない雰囲気があるのはその辺りも理由の一つかもしれない
 
12月第1週の土曜日には真剣で舞われる狭野神楽を見ることが出来る
 
さて2009年7月に神社近くの花堂川のほとりに杜の穂倉がオープンした
農事組合はなどうが地産地消、農工商連携で出来た施設だ
手ずくりの米や味噌が人気だ
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将来は農家レストランや宿泊施設も作る計画
町おこしの夢は更なる地域活性化の道へと拡がって来ている