利休にたずねよ

久しぶりに良い本を読んだ 
第140回直木賞受賞作品
 
 
千 利休 
(1522年〜1591年2月28日)
侘び茶の完成者と言われ、茶聖 とも言われる人
信長、秀吉に仕え茶人として天下一になった
最後は秀吉との確執から切腹を命じられた
茶道のみならず日本の様々な伝統に大きな影響を与えている
〜茶の湯とは自由と個性なり〜
 
そんな利休を新しい視点で見つめた本だ!
 
文体がとても綺麗で気品にあふれている
美の探求者としての利休と権力者秀吉との微妙に揺れ動く葛藤の
心理描写とそれを取り巻く人間模様の表現が絶妙だ
 
美をテーマにもてなしの心を古典もモダンも超越した斬新さと
ユニークさで挑戦し続けた利休
利休だけが持ちえた審美眼と形見の品に隠された秘密の恋
 
構成も切腹の瞬間から徐々にタイムスリップするプロセスの設定も
とても新鮮で読みやすい
 
侘び茶の中にひそやかに込められた、炎のごときエロティシズムが
利休の人間味を一段と輝かせている
 
新しい利休像に迫る 山本兼一氏のお点前は
飛びぬけた感性と洞察力を感じてしまう
直木賞受賞 おめでとうございます
この1冊を読んだだけで私もファンになってしまった
 
是非 美をテーマに活動している人達は読んで頂きたい必読の一冊だ

世界の歴史をひもとくと
お金を持ち権力者になると最後にたどり着くのは、美への探求だと言う
美とはそこまで深遠で人を虜にしてしまう摩訶不思議な物かも知れない