最後の無頼派

最後の無頼派作家と言われる伊集院静氏
情熱大陸で先日TBS系で放送されたが
大変興味深かった
 
私は彼の小説が好きでほとんどを読んでいる
特有のみずみずしい文章
個性あふれる無器用な主人公たちがもつ温かい心
彼の小説にはなぜか品格がある
しかも彼の生き方は私にとっては男の美学でもある
一本芯が入っているのだ
 
初めて彼を知ったのは夏目雅子の存在だった
 
夏目雅子
1977年カネボウのキャンペーンガールの水着姿が
何と強烈だったことか!
私は一目で大ファンになってしまった
CMのロケ地はなんとチェニジア
そしてそのCMのディレクターが伊集院静だった
あの夏目と結婚できる男とはどういう男なのだろう・・・・・
そんな意味で興味を持ったのが最初だった
 
1984年2人は鎌倉の寿司屋で内輪だけの式を挙げたが
1985年2月15日、夏目雅子は白血病で緊急入院
伊集院静はすべての仕事を辞め彼女の母親とともに看病に当たった
 
夏目が死ぬ直前の誕生日に伊集院が聞く
「 何か欲しいものは? 」
「 ワインかな? 」  夏目が答える
ワインを買いに行ったが財布の中に金がない
こんな時に安いワインしか飲ませてあげられない・・・・・
 
その時、伊集院は決めたという
2度と金に揺さぶられる人生にはしない
どれだけ金を積んできやがっても
びくともしない生き方をしようと・・・・・
 
そして1985年9月11日27歳という若さで夏目雅子はこの世を去った
 
以来、世間が言う建設的なこと、道徳的なことを一切拒否して
酒とギャンブルを徹底してやった
後年まで膨大な借金を抱えたが
当時はあとはままよという気持ちだった
他人との関係もすべて拒絶した
でくのぼうのごとく生きた
結局いろいろやられたがやはり体がズタズタになった
 
まさに自暴自棄、
そんな時に出会ったのが色川武大(たけひろ) 
麻雀の世界では阿佐田哲也と言ったほうが有名かもしれない
麻雀をしたらもう朝になっていた、今日も徹夜だ
からつけた名前で「雀聖」とも呼ばれた人だ 
彼と出会い全国の競輪場をめぐる旅打ち等をしながら
彼の茫洋として優しい心に包み込まれていった
ナルコレプシーと言われる奇病を持つ先生はよく居眠りをした
彼と過ごした時間はとても懐かしく少しずつ徐々に気持ちが再生していったという
この自伝的小説を書いたのが、いねむり先生である
 
オーラス箱テン寸前の私に手を差し伸べる人がいて
運よく私は生き延びた・・・・
しかし色川は62歳で突然この世を去った
そして伊集院は今年でその年を超えた
 
伊集院静氏はこう言っている
色川はとてもチャーミングな人だった
チャーミングの基礎はセンス
センスの基礎は品格だと
 
伊集院静にとって夏目雅子、色川武大どちらも人生を変えた
チャーミングな存在だった
だからこそ彼は自暴自棄になり、そして救われた・・・・・