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山田洋次監督50周年in日向

山田洋次監督生活の50周年を記念しての
映画上映会が日向市文化交流センターで10月22~23日開催された
50周年で上映会を開くのは全国で日向市だけだと言う
 
22日は地元の中学生を招待しての学校Ⅳの上映会
学校Ⅳは2000年に日向市でロケをした作品
日向は4日間のロケだったが
婦人会などの献身的なお世話が山田監督を
今までこれだけ良い環境の中で撮ることはなかったと言わしめたほど
印象的な地であったようだ
これがきっかけとなり地元に山田会も発足し
監督と日向市との結びつきが深くなってくる
22日には大御神社の夜神楽を見物されたようだ
 
さて23日3本の映画が上映され山田洋次監督と倍賞千恵子さんの
舞台挨拶も行われた
遥かなる山の呼び声 1980年
男はつらいよ(柴又旅情)吉永小百合 1972年
学校Ⅳ  2000年
3本とも家族がテーマ
未曽有の大震災を経た日本人が今見ると
思わず笑って少し明るくなり、希望の持てる、
身につまされる映画ではないかと思うと監督は言う
 
特に印象的な映画は遥かなる山の呼び声だった
1987年幸せの黄色いハンカチが大ヒット
作品は第一回日本アカデミー賞を総なめにしたが
ラストシーンの黄色いハンカチが
北海道らしい青空に力強くはためくシーンを撮るために
何日も天気待ちの状態が続いた
その中でスタッフの雑談の中から
構想としてこの映画のアイデアが湧いてきたのだと言う
 
黄色いハンカチコンビの高倉健と倍賞千恵子
若々しく礼儀正しい高倉健、初々しい倍賞千恵子
そして子供役の吉岡秀隆
今見ても子供役からの吉岡の演技が光っている
今から31年前の作品だが古さを感じさせるどころではなく
ジーンと心に訴えかける作品だ
北海道の酪農農家に未亡人となって一人で働く家に
一人の男性が働かせてくれと言って納屋に泊まる
様々な体験を経て男は家族との信頼関係が出てくる
殺人犯だとわかった時の驚愕
連行される列車でのハンカチを渡すラストシーンにはジーンとくる
 
酪農農家の牛小屋の掃除、牛乳絞りなど
酪農農家の勉強から始まって厳しいけれど楽しい体験だったと
倍賞千恵子さん
家族のきずなを元に畜産業の厳しさ
人生のせつなさ、優しさ、そして信頼感などを豊かに表現している秀作だ
 
さて柴又旅情には隠されたエピソードがある
吉永小百合さんはこの映画を撮り終わりしばらくして
山田監督に報告に来たと言う
渥美さんと共演して結婚することを決心しましたと
 
日向市の黒木市長からは山田監督には
耳川流域の杉で作られた監督専用のデレクターズチェアが贈呈された
 
50周年での記念作東京家族がクランクインの直前に
東日本大震災が起き大変悩まれた山田監督
東京家族は最終的に山田監督の判断で来年に延期されたが
ぜひこのデレクターズチェアで『東京家族』を撮っていただきたいものだ