塩糀の伝道師

平成25年12月5日
ユネスコ会議において和食の無形文化遺産登録が決定した
和食は日本人の自然を尊重する心が育んできた
大切な食文化で世界に誇れるものだ
この決定を待つ前にもう和食は全世界で一大ムーブメントを
起こしている
ニューヨーク、フランスでの寿司や和食の人気
東南アジアにおける和食、日本食の拡がり
様々な地域で日本の和食が徐々に浸透はじめている
その中でも今世界のシェフの間で注目を浴びているものが麹文化だ
味噌、醤油、味醂、酒など全ては麹を元に成り立っている食文化である
酒も世界で和食の広がりと共に注目を集めつつあるが
ここ1~2年でブレイクした麹と言えば塩糀であろう
この塩糀を発掘した人が
大分県佐伯市の浅利妙峰さんだ
1689年創業の老舗の麹屋本店だが
売り上げも厳しく苦境にあえいでいた
味噌や醤油、甘酒では今後の麹の需要回復にはおぼつかない
新商品開発が不可欠だとの結論に達する
妙峰さんは様々な書物を調べているうちに
江戸元禄期に書かれた食材百科事典 『本朝食鑑』の中に
塩糀は黒漬と呼ぶと言う一文を見つけた
つまり塩糀は漬物の材料だと紹介されてあったのである
ピーンときた
これをきっかけに様々な材料にトライする
野菜に塩糀を揉みこんだり
手羽先や魚介類にまぶしてみたり
そうすると予想以上に美味しくなることも分かった
糀にはビタミンや乳酸菌をはじめ
でんぷんやたんぱく質、脂肪などを分解する様々な酵素が豊富に含まれる
まさに健康食材でもある
浅利妙峰さんは2009年に満を持して
塩糀レシピ本を発刊
ベストセラーになる
これだけではない
妙峰さんの偉いところは塩糀を商標登録しなかったことだ
しかも全国の糀屋さんからの経営相談も引き受け
全国を飛び回った
まさに塩糀ビジネスの先駆けとなって行ったのだ
塩糀は元来日本の古き時代からあったもの
書物からヒントを受け
これを現代風にアレンジして調味料として甦らせただけではなく
新しい
砂糖の代わりに使える自然な甘みの甘糀
隠し味として使われるだし糀
イタリアンによく合うニンニク糀
等商品開発を続けながら
アメリカやヨーロッパなど世界に活躍の場を広げている
大分の絶滅しかけていた地域の資源をブラッシュアップして
甦らせ全国に情報発信し
世界に糀の文化を伝えていく妙峰さんの姿勢には頭が下がる
まさしく地域活性化の良き成功事例である
2013年6月には内閣府男女共同参画局 女性のチャレンジ賞を授章
まさしく世界に誇る日本の塩糀の伝道師だ!