富山市岩瀬のアーティストたち
富山市岩瀬地区
岩瀬町づくり株式会社は土地や建物を買い取り修復して
昔ながらの佇まいとなった家には様々なアーティストが移り住んで
町の活性化の大きな柱として機能し始めている
案内役は魚津のねんじり亭の三浦さん
三浦さんとも桝田隆一郎氏を通じての仲
もう10年以上になるだろうか
大吟醸を楽しむ会にも酒のつまみを毎年富山から送っていただいている
まずガラス工房から訪問
Taizo Glass Studio の安田泰三さんだ
一年中24時間ここの釜は1200度の温度で保たれているそうだ
1200度の窯 安田さんと三浦さん
安田さんは富山で全国で初めて1991年に設立された
公立の富山ガラス造形研究所の卒業生だ
この学校は少数の16名の全国募集のため
レベルの高いガラス造形を学ぶことができる
指導するのは世界的に活躍されている野田雄一教授
野田先生は桝田さんに安田さんを紹介し岩瀬に移住したのだそうだ
ガラス作品を見せていただいたがセンスが良くとってもクールだ
次に越中瀬戸焼の陶芸作家 釈永岳さん を訪ねた
自宅と窯とギャラリーを兼ねている
青磁の陶磁器はすらっとして見た目も美しい
私は実は立体的な陶芸のほうがやりたいのですと・・・・・
ここに移住したのは桝田社長の強い要請でとのこと
格安の家賃で日々創作活動ができるのが嬉しいと
話されていた
さて案内役に隆一郎氏も加わって次は
木工彫刻の岩崎努さん宅を訪問
全ての作品を一枚板や木の塊から削っていく
壁にかかってあるアイビーの作品はとてもエレガントだ
通常はケヤキが多いが
緻密な部分をうまく表現するためには素材は柔らかい木材が良いので
カエデや桜などになると言われていた
まさにオンリーワンの作品だ
岩崎努さんの仕事場
最後は漆器の職人さん
橋本千毅さんを訪ねる
ご夫婦とお子さんで迎えてくれた
ここの漆器のセンスの良さは素晴らしい
日常使うことのできる黒の漆器もシンプルでとても良い
4人のアーティストと話して感じたことだが
自分自身の創作活動と生活がこの良い環境でやれている
事に対しての充実度が伝わってくる
このレベルのアーティストを集める力量はやはり隆一郎氏の手腕だ
ただ一つ一つの作品は決して安くはない
通常の観光客だと驚くような価格だろう
それをどうやって各アーティスト個人個人が安定した収入になるようにしていくのか
大都市圏での展示会や隆一郎氏のネットワークの人脈のみにたよると
まだまだ少し無理があるような気がする
富山岩瀬のグループ展を大都市圏で
酒と食と作品を含めて連動するようなチャレンジも
積極的に行い可能性を拡げていただきたいものだ
伝統建造物をいかに現代に再生させるか?
はある程度めどがついたように見える
次のステージの成功のカギは建物と文化と人をどう共存させ
人に優しい居心地の良い街づくりに生かしていくかだろう
昔の地方の蔵元はある意味文化の担い手であった
そんな意味でも現代に於いて文化と街づくりを実践している
隆一郎氏の心意気には頭が下がる
富山岩瀬の街の挑戦は今からも続いていく