さんま×Netflix

山手線の電車の中での
動画広告でたまたま明石屋さんまが出ていた。
しかもNetflixのCMだけに驚いた!
 
地上波でいくつものレギュラーを持っている明石屋さんま
そのさんまの微妙な気持ちが
CMにもそのまま表れている
 
地上波で頑張ってきているのに
NetflixのCMをしているのも微妙
ほんまはライバル
気持ち的には思い切り整理はついてないかも
 
敵に塩を送っている感じもある
地上波が苦しくなっているのも事実
 
我々の時代は地上波で大丈夫だと思うけど
30代、20代、10代は
テレビをどのように見ているかわからない
 
地上波でお笑いを引っ張る先頭グループの一人が
地上波の本音を赤裸々に語っているのが大変興味深い
しかもそれがNetflixのCMだけにインパクトは大きい
 
こんなさんまの本音の話をCMで見せてくれる
Netflixの懐の深さと並々ならない自信を感じる
 
近々地上波でもCMが流れるという
 
世界各エリアで
それぞれの国ならではのコンテンツを制作していくNetflix
しかも年間制作予算は6600億円という巨大な数字だ
各国の独自コンテンツの力で有料会員を増やす
その相乗効果が表れ
コンテンツ強化と制作費の掛け方が加速度を増す
 
さんまとNetflixの縁は
さんまのドラマの企画を
Netflixが制作することになったという
しかも民放より制作費も出したのだという
それがご縁でCMが決定したそうだ
 
今後ますますテレビとネットの枠組みが無くなっていくと考られる状況においては
世界のネット動画市場で一番のシェアを誇るNetflixの動向には
これからもっと目が離せない
しかも地上波にとって不気味なのは30代以下が
テレビではなくネットで見る習慣がつき始めた事だ
 
 

「この人」の欄で掲載されました。

共同通信宮崎支局の須賀記者の取材で
弊社代表で大吟醸を楽しむ会のプロデューサーでもある満元英明が
焼酎王国から日本酒の魅力を発信というタイトルで
東京、新潟、山形、京都、鳥取、熊本、鹿児島、宮崎、沖縄など
全国の地方新聞に掲載されました。
今後も引き続きその他の地方新聞へ掲載されていくそうです!
 
 
記事内容
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焼酎王国で日本酒の魅力を訴える  満元 英明さん
 
美酒に酔い、笑い声が絶えない会場。
その片隅で進行に気を配り、ゲストにやさしく語りかける。
会の引き立て役に徹する姿が印象的だった。
蒸し暑い夏の宮崎で日本酒好きの約600人が集まって開かれた
「大吟醸を楽しむ会」。
全国39蔵元の蔵元たちが自慢の酒と地元のつまみを持って
駆けつけるこの集まりは、今年で20回目を迎えた。
 
焼酎王国で知られる宮崎で、新たな魅力を発見した。
「最高の日本酒をお祭り気分で存分に味わってもらえる。
普段は接しないお客さんと楽しそうに話す作り手の姿を見て、やりがいを感じた」。
プロデューサーとしてこの上ない喜びだ。
 
「いい酒を造る蔵元と仲良くなりたい」。
そんな願いがきっかけだった。
一流の職人と接し
「酒には、こだわりを持った生産者の思いがこもっている」
と考えるように。
学生時代は「恥ずかしがり屋だった」。
地元放送局の関連会社に入り、少しづつ克服した。
転機は1991年社内に事業企画部を立ち上げて臨んだ
プロサーファーの世界大会。
歌舞伎役者が波に乗る姿を描いたポスターは
当時斬新なアイデアだとされた。
ジャンルを問わずイベントを手掛け、2009年に独立。
「人と同じことはやらない。新しい物が好き」
と飽くなき探求心を見せる。
 
今回のテーマ 「MAKUAKE」は新たな挑戦を意味する。
「東京五輪をシャンパンの代わりに発泡性の日本酒で乾杯して迎えたい」
宮崎から世界を目指し、時代を切り拓く
宮崎県出身  63才
 
 
自らのライフワークとして宮崎で始めた大吟醸を楽しむ会が
20回を起点として
記事で全国へ拡がって行くことを大変有難くかつ嬉しく思います。
20回まで大吟醸を楽しむ会が開催出来たことに対して
改めて日本の食と文化を守る会の村田会長や
支えて頂いた全国の参加蔵元の皆様をはじめ
世話人の方々、一緒に運営を行っていただくボランティアスタッフの皆様に
深く感謝を申し上げます!
これからも大吟醸を楽しむ会をよろしくお願い申し上げます。
 
 
 

OTTが席巻する未来

最近日本でもOTTという言葉を頻繁に聞くようになった
 
OTT(OVER THE TOP)とは
既存の地上波テレビやケーブルテレビや衛星放送を介さず
インターネット経由で動画コンテンツを配信するサービス
 
このOTTの現在世界NO1の業者が Netflix である
2016年度のアメリカのシェアは約53%と言われている
その次がアマゾンの23%だ
 
Netflix の事業開始は1997年
2007年からネット配信を始め、
月額8ドルで見放題のサービスで人気を得た
同じユーザーであればマルチディバイスの機器を変えても
動画を途中から継続して見られる特徴がある
2012年ごろからはオリジナルコンテンツの制作を開始
多額の製作費をかけて作った House of Cards は
2013年エミー賞を受賞した
テレビ局が受賞するのが今までの常識だったが
OTT事業者が初めて受賞し大きな話題となった
そして第89回アカデミー賞ではホワイト・ヘルメットが
短編ドキュメンタリー賞を受賞した
 
アメリカではケーブルテレビの加入者数をNetflixが上回り
2017年4月21日世界で一億人のユーザーを抱え
世界130カ国以上に配信をしている
最近ではローカルで制作、グローバルで視聴をテーマに
日本やフランスなど多くの国でオリジナルのコンテンツを制作している
目標はグローバルネットワークテレビだと言う
 
Netflix のCEO リード・ヘイスティング氏は
10年から20年以内にすべての動画はインターネット上で
視聴されるようになると話している
 
第2位のシェアのアマゾンは方向性が少し違う
アマゾンプライムの特典の一つという考え方だ
年会費 99ドルで
無料配送
映像配信サービス
音楽配信サービス を行い
アマゾントータルで顧客の囲い込みを行う戦略だ
 
ここにきて大きな勝負に出たのがディズニーである
ディズニーは今迄映画などのコンテンツの提供を行ってきた
ネットフリックスとの契約を取りやめ
新しくディズニーグループとして
2018年中にネット配信事業を行うことを発表した
MLB傘下のBAMテックを小会社化して配信技術を確立
ディズニーの映画コンテンツを始め
傘下のESPNでのスポーツ中継(注力するのが野球とアイスホッケー)
などが主な柱になりそうだ
 
アメリカを制したものが世界を制する
それはIT業界の歴史が証明している
そんな意味でもアメリカでは
OTTの業界もどこが勝ち残るのか
Netflix を軸にさらなる激戦が続いていく
 
さて今後日本のテレビ業界はどうなっていくのだろうか?
ニールセンの調査では
若者を中心にテレビ視聴は10~20代が一番少なく
オンラインビデオは10~20代が最も多いという調査結果が出ている
若者層は確実にテレビからオンラインに移っていると言ってよいだろう
その理由は何か?
地上波や衛星放送は編成によって番組を放送し
視聴者はそれに縛られる
OTTでは見たい場所で見たい時に見たいメディアで見たい番組を見れるのである
このメリットは限りなく大きい
 
世界規模で拡大を続けるOTT業者のなかで
どのような地上波、衛星放送の生き残り戦略を考えるのかは
ここ20年のアメリカの電波の歴史を見ても容易ではない
 
既存の放送メディアを揺さぶりながら
大手のOTT業者が日本市場に更に深く入っていくだろう
 Netflixの制作費は年間約6600億円
アマゾンは約5000億円
日本は最大のNHKで約2900億円
この制作費の格差は物凄く大きい
 
制作はローカル、視聴はグローバル
市場のシェアを圧倒的に取った方が制作費も潤沢だし効率的だ
Netflix のCEO リード・ヘイスティング氏の言葉の通り
世界は大きくOTTに舵を切って走り出しているように見える
 

影裏(沼田真祐)

第157回芥川賞は沼田真祐氏が書いた
「影裏」が受賞した。
この作品は5月に文学界新人賞も受賞している
 
主人公の私と友人日浅氏の物語
冒頭の美しい岩手の自然と釣りの描写は印象的だ
 
人間の持つ一貫性とブレみたいなものが
上手く描かれている
 eiri
日浅の性格を表す
「何か大きなものの崩壊に感動しやすくできていた」
これが受賞作のキーワードだろう
 
釣りの話かと思えば
途中にLGBTの世界が描かれていたり
東日本大震災まで出てくる
そして日浅氏の親父から開かされる彼の正体
「息子なら死んでいませんよ」
という親父の言葉からは続編も期待できる
 
日本酒の話が出てくる
鮎をつまみに田酒、南部美人が話に出てくるのも
個人的には大変嬉しい
 
全体的な描写の中に
重要な情報をちりばめるテクニックは
新人とは思えないうまさだ
 
物語の底流に流れるものは崩壊なのだろうが
いったい作者はこの作品で何を描きたかったのだろう
読んだ後に重たい空気感が残る
次回は私と日浅氏の続編も含めて
長編も読んでみたい

世界の住みやすい都市ランキング2017

イギリスの情報マガジンMONOKURUが
毎年世界の住みやすい都市ランキングを発表している
2015年から東京は3年連続で第一位
 
ウィーンの人気も高い
2016年度は第3位、2017年度は第2位とベスト3
音楽都市でもあるし、街並みも重厚感がある
 
私の好感度の都市
オーストラリアのメルボルンも注目だ
2016年は第6位、2017年は第5位と
南半球ではシドニーを抑えて一番になっている
街並みも綺麗で気候も温暖
中国からの移民も多くグルメも美味しい
 
今年の住みやすさランキングに
多くのヨーロッパの都市
第3位 ベルリン
第4位 ミュンヘン
第8位 チューリッヒ 
第9位 ハンブルグ
第10位 マドリード 
が選ばれているのも見ると
ユーロ安等の為替などの影響もあるように思える
 
私が大好きなバンクーバーは
2016年第11位
2017年は第18位と
住みやすさ第一位を誇ったかつての面影はない
中国からの移民で土地やマンションなどがバブル化した影響なのだろうか
確かに物価がかなり上がったように感じたが
適当に田舎で都会的な雰囲気もあり
私にとっては今でも魅力的な町だと思っている
 
全体を見て
日本で注目する都市は福岡である
2014年 第9位
2015年 第12位
2016年 第7位
2017年 第14位
と安定したランキング結果だ
日本でランキングに入っているのは東京、京都、福岡のみだ
京都は2016年第9位、2017年12位
 
福岡の魅力は何と言っても食べものが新鮮で美味しいこと
それに加えてアジアのゲートウェイとして空港、港がしっかり機能していること
しかも利便性が高い
空港から地下鉄で10分で中心街の天神に着くことは
外国の都市でもほとんどないだろう
加えて都市機能がコンパクトにまとまっているのも魅力の一因だろう
一つ気になる点は、土地マンション価格の上昇だろうか?
2016年に福岡市が未来を見据えて
ミャンマーのヤンゴン市との姉妹都市を締結したのも
嬉しい取り組みの一つでもある
今後アジアのゲートウェイ都市として更なる発展に期待したい
 
 
 

蕎亭大黒屋(浅草)

共同通信の上野敏彦氏が書いた
そば打ち一代のモデルとなった裏浅草にある蕎亭大黒屋
菅野さん夫婦でやっているお店だ
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蕎麦好きな私としては出来るだけ早く行きたかった
予約を取り訪れた。
お店の中に入るとアットホームな雰囲気
周りの人がみんなお酒を飲んでいて
ここは蕎麦屋なのか居酒屋なのかを勘違いしてしまうようだ
 
それほどお酒の種類も多く
冷蔵庫から自分好みの銘柄が選べる
 
さて注文はそば焼き味噌、
卵焼き、イタワサが切れたそうで焼き海苔を頼む
お酒は広島の宝剣にした
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そば焼き味噌はクルミの風味が香ばしい
焼き海苔も昔の入れ物に入って風情がある
 
お店には師匠 一茶庵の創業者 片倉安雄氏の
自筆の書が飾ってある
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接客の老女将の役目
その天真爛漫な仕草と言葉が
お客の皆さんの笑いを誘う
 
在来種だけのそば粉を使ってそばを仕上げている
蕎麦は極細の0.8㎥程
そばの香りも立って素直に美味しい
汁は江戸前の正当な辛口なのにまろやかさがある
これだと日本酒が進むだろう
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ご主人の菅野さんとも挨拶が出来た
今日は仕上げのそばを食べに来たが
ここはじっくりと腰を据えてお酒とそばを楽しむことが出来る
貴重なお店だと思う
 
 
孤高の名人度    ★★★★++
 
 
蕎亭大黒屋
 
東京都台東区浅草4-39-2
03-3874-2986
18:00~22:00
日月休み(完全予約制)

自家焙煎珈琲屋バッハ(東京)

南千住駅から歩いて7~8分ほど
ここに珈琲の業界では知らない人はいないと言われる
カフェバッハがある
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1968年に夫婦で開業した
ご主人の田口護氏は2000年の九州沖縄サミットでは
晩餐会の締めくくりにバッハブレンドを提供した
また2005年にはNHKプロフェッショナルに出演され
大きな反響を呼ぶ
 
奥様が手作りで作るパンやケーキは
珈琲にとって夫婦や恋人のような存在だという
 
そんなお店にお邪魔すると
カウンターに通される
店員の方々のきびきびした対応は見ていてもとても気持ちが良い
バッハブレンド570円を頼む
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ペーパードリップで入れられた珈琲は
口当たりが薄いカップで提供される
カップも上品で良い
珈琲は苦みコク酸味のバランスが程よい
マイルドでシンプルな美味しさを感じる
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田口氏の指導が良いのだろう
店員皆さんの接客にとても好感が持てる
店員の皆さんも日々独立を目指して頑張っていらっしゃるのだろう
またお邪魔したい珈琲の名店である
 
 
 
レジェン度     ★★★★☆
 
 
自家焙煎珈琲屋バッハ
 
東京都台東区日本堤1丁目23-9
03-3875-2669
8:30~21:00
(金曜休み)

蓮田へ・・・

前から気になっていた
神亀さんにお墓参りに行かせていただきたいと
奥様に連絡を取り、
7月7日に蓮田の神亀酒造にお邪魔してきた。
 
以前、蔵に私がお伺いしたのは2016年2月19日
その日はうららかな小春日和で
蓮田の杜まで歩いて行った。
 
小川原センムがフランスに講演に行かれる直前で
ワイングラスで日本酒を飲むことが普通だと思っている人たちに
本当の純米酒の魅力を話すんだと淡々と言われていた。
しかしそのフランスで体調がおかしくなり緊急手術
その後帰国して病院に入院
すい臓がんと闘って行くことになる。
手術したが転移は肝臓まで広がっていた。
 
奥様の美和子さんが
私たちも幸いだったのは
抗がん剤治療をしたにもかかわらず
味覚もわかり
食欲は亡くなる直前までほとんど落ちなかった事だと言われてた
 
肝臓に転移したガン治療のため
あれだけ好きだったお酒も禁酒して
治る可能性にかけた日々・・・・
 
写真は11月終り頃のもの
センムと娘婿の貴夫氏
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蔵で見せて頂いた2017年2月27日の朝日新聞にこのような記事がある
 
求めた純米 続けた闘い
 
闘いは、締めくくりに入りつつある。
昨年3月、すい臓がんが見つかった。
ステージ4。
肝臓にも転移し治療を続けている。
「時間が無くて焦っている。自分が得たものすべてを伝えないと」と
娘婿の貴夫さんに昔ながらの酒造りの手法を伝える。
「戦争はだめ。戦争が文化を全部壊してしまった」
壊された日本古来の文化を取り戻す闘いを、不屈の精神で続ける。
 
 
蔵人全体で今期の造りは全てセンムの言うとおりにした。
これがセンムが見届けた 最後の生酒
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4月ぐらいから食欲もなくなっていった
4月20日には諏訪泉の東田さんたちも見えたのだという
4月21日ごろから急に悪くなり23日に息を引き取った
 
 
蔵では新社長の貴夫氏と子どもさんも出て来てくれた
センムの写真集を見せると
お孫ちゃんはセンムちゃんだ、これもあれもセンムちゃんだと
無邪気に喜ぶ姿がかわいい
 
奥様が・・・・・
でも思うんです
センムは幸せな人だったなあと
最後は家族全員に囲まれて息を引き取れたことが・・・・
 
 
近くにあるセンムのお墓にお線香をあげて
良くセンムから怒られた事を思い出しながら
長年にわたる心からの感謝を申し上げた。
 
暑い夏の日だった。
帰路につきながら
「バカやろう」という声をまた聞きたいと思った。
今夜は浅草の教えてもらったお店で献杯をすることにしよう!
 
 
 

小川原センム追悼記事

神亀の小川原社長は2017年4月23日にご逝去されたが
今でも皆からセンムと呼ばれ続けている。
数々の掲載された追悼記事の中から
印象的な記事の一部をご紹介したい
 
共同通信の上野敏彦氏は
神亀酒造の小川原良征氏を書いた「闘う純米酒」の本の著者でもある
 
追想 メモリアル
純米酒に目覚めたのは
東京農大で恩師がつぶやいた
「添加物を入れた日本酒を造っていたら白ワインに負ける」という一言だった。
神亀は戦時中、酒の製造免許を取り上げられそうになったが
祖母くらさんが一人で抵抗し守り切った。
「ばあちゃんはよき理解者で、受験の夜食にかん酒をつけてくれた。」
と話す表情は少年のようだったことを覚えている。
コンピュータが酒を造る時代
神亀では蔵人が合宿して作業に臨む。
「機械は導入したときから壊れるが、人は蔵に入った時から育つ」が信念
 
 senmu001
 
dancyuの7月号に藤田千恵子さんは
 
「これがセンムの見届ける最後の仕込みになるかもしれない」と
新蔵元で娘婿の貴夫さん、太田茂典杜氏双方が
覚悟しながら臨んだ28BYの仕込み。
それは「すべてセンムの言うとおりにやる」と決めた
杜氏率いる蔵人たちの真摯な仕事により、
センムが満足の笑みを浮かべるものとなった。
その祝いの酒を口にしたセンムは
「酒はうめえなあ」 「こたえられねえなあ」と
まるで舞台の口上のような調子で言って、盃を掲げて笑っていた。
本当に幸せそうな笑顔だったので、
それが「さようなら」の盃だったことに私は気づけなかった。
「酒はうめえなあ」。本当に。
そのことを人生をかけて教えてくれた人。
センムがたった一人で歩き始めた道、
その後ろ姿を追って今は大勢の人達が歩いている。
どれほど御礼を言いつのっても言い足りない。
感謝しかない。
 
 
朝日新聞  惜別 (平井茂雄)
 
昔ながらの手仕事を重視した作りが生む酒は
80年代からの吟醸酒ブームと一線を画し、
濃い味と広がる旨味が特徴。
吟醸酒は冷という流れにも
「しっかりとした酒は燗に」と大吟醸も燗に。
「カツ丼には」「チーズには」と食事に合う酒を勧めた。
・・・・・・・・
昨年3月、純米酒の魅力を伝えようと訪れたフランスで
病魔が発覚した。
「純米酒の文化を残すため、自分が得たことをすべてを伝えないと」
と臨んだ今期の造り。
最後に絞った酒を利き、うなずいた。
「すぐに生酒で出せ」
その5日後に逝った。
 
 
いま思えば小川原専務の最後の参加になった
2015年大吟醸を楽しむ会の2次会で
ある蔵元の言った言葉が忘れられない。
「神亀の専務は純米酒のレジェンドなんです。」

初手3八金の衝撃

6月25日のNHKスペシャル
人工知能~天使か悪魔か~の放送があった
 
今年4月に行われた
将棋の佐藤天彦名人とPONANZAの戦い
電王戦の第一局のPONANZAがさした初手は
3八金の衝撃の手だった
思わず考え込む佐藤名人
 
羽生氏は金は本来玉を守る駒
また金が上がることによる飛車の動きが不自由になるので
セオリーに反する手
棋士は絶対に指さない手と解説した
しかし10手以上指す中で
PONANZAの用意周到な作戦が見えてくる
佐藤名人は完敗した
 
PONANZAを開発した山本一成氏は
5万局のデータを教師データとして入れ込み
PONANZA同士の対戦を700万局対戦させた
これは人間が対局すると2000年以上かかると言われる
この機会学習の結果
その中で行なわれたディープラーニングの結果
人工知能は劇的な進化を遂げたのだ
 
山本氏は
今まで知的な事は人間しかできなかった
それが人工知能にとってかわりつつある
ただ開発者の山本氏にもその進化が理解できない世界になっているという
 
佐藤天彦名人は宇宙の中の銀河系の中でしか
将棋を見れていなかった
人工知能は将棋の宇宙の広さを私に認知させてくれた
私はその気づきを盤面に現すことが今から求められるのではと語った
 
羽生氏は
人工知能と棋士の対局は
未来社会の模擬実験的な事をやっているのではないかと思います
いま起きている様々な事象が
今後人工知能が社会で応用される事態を先取りしているように思えるのです
 
しかし人工知能の判断結果しか出さない思考過程に
問題なないのだろうか?
人間の評価や起きる確率を的確に予測していく人工知能
さまざまな領域で運用を始めている人工知能は大きな成果を上げている
ただ羽生氏も思考過程がブラックボックスであることに警鐘を鳴らしている
 
シンギュラリティ(技術的特異点)の時代は2045年と言われてきたが
囲碁、将棋の分野ではすでに超知性が人間を上回った
私にとっても衝撃的な事件だった。
これからの人工知能の進化もより加速度的に進んでいくだろう
 
人間はこれからの未来に
人工知能とどう向き合えばよいのか?
人工知能によって人間が評価され
これから人工知能によって仕事の効率も上がるが
人間は多くの仕事が失われていくことにならないだろうか?
 
開発者にさえ、すでに理解できないという人工知能
通常の人間の2倍の知能が天才と呼ばれるが
超知性の人工知能は人間の1万倍の知能を持つという
そんな時代にどうやって人類は人工知能と共存していけるのだろうか?
まさに天使か悪魔か
人類にとって残された時間はそんなに多くない・・・・・