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ブレトンウッズ体制3の時代へ

ゾルタン・ポズサー氏(クレディ・スイスの金利戦略責任者)が

「ブレトンウッズ体制3」と名付ける次の新しい世界が注目を浴びている。

 

第2次大戦後、金と交換可能なドルを軸にした

国際通貨の基軸システムの時代が「ブレトンウッズ体制1」

 

1973年のニクソンショックで

ドルは金との交換を停止

金という呪縛から解放されたドルは経済運営の自由度を謳歌した

これでドル供給の天井が無くなった

米国は貿易収支の赤字を増大させたが

基軸通貨なので、世界からの米国債の購入で

資金は還流していく

また景気刺激のための金融緩和では驚くべき量のドルが増刷された

このようにマネーが独自に肥大化していった時代が

ブレトンウッズ体制2である

 

しかしコロナ禍で米国は経済対策として

巨額の紙幣を増刷し難局を乗り切ったように思えたのだが

インフレが40年ぶりに現れた

コロナ禍での現金給付、と脱炭素化や

ロシアのウクライナ侵攻での

原油輸入禁止などのロシア制裁措置で

インフレがますます増大し歯止めがかからなくなってきている

ドルの紙幣の増刷で、経常赤字はどんどん大きくなり

ドルの信認は揺らぎはじめている

そのため資源国のエネルギー資源、貴金属、穀物、に

ドルから世界の資金が流入していくのではないかと

ゾルタン・ポズサー氏は言っているのである

すでに世界のいくつかの中央銀行が金を買増している事実はこの現れではないのか?

 

ドルは刷れば青空天井だが資源には制限がある

ドルの信認低下からくる、

ブレトンウッズ体制2の崩壊はドル覇権の終わりでもある

次の時代は必然的にドルから資源・商品への流れが起こることになる

つまり基軸がドルから商品の時代に移ることになる

これがブレトンウッズ体制3ということだ

 

世界の著名投資家レイ・ダリオ氏が「現金はゴミだ」と言った言葉が強烈だ

インフレが進んでいくごとに現金が減価していくのを象徴している言葉だ

個人的にも次の時代は紙幣から

制限のある資源、貴金属、穀物などの商品の時代に移行していくのではないかと考える

我々は大きな歴史の大転換の時に生きていることを忘れてはならない!